シャオの登頂記

神戸でのMBA生活も修了し、今度はUS-NYへ赴任することに。英語が苦手なManagerは生き残れるのか… 関わっている多くの方と、いつかの自分のために、もがき続ける?!姿を記録します

イノベーション・マネジメント 特別講義

超?! 久しぶりに授業があったので投稿!
 

1年目にの最初に受けた本授業の短縮版として、

特別に授業をしてくれることになりました。(K大ビデオ資料を使った講義)
 
先生からすれば某社 K村さんが、このビデオ作成の際に一役買った
御礼の意味もあるそうで…  感謝ですね。 30人弱が出席してました~
 
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●本日のテーマ: 新事業
 
  シュンペーター:馬車をいくらつなげても自動車にはなりません。
 
インクリメンタル・イノベーションを続けても、技術的なサチュレーションは回避できない。
では、破壊的イノベーションを起こすためには、どの様なポイントに着目するべきなのか。
おそらく、破壊イノベーションを起こす構図(方程式)を描くことは、永遠に出来ないだろう。
でも新事業を意識し、目を向け続けることで変化に近づくことは確実にできる。
 
● Case: S社
S社の創業からの製品はウィスキーではなく、ワインである。
昔から宣伝広告が昔からうまかった、遺伝子としてある(とも言える)

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◎キーワード: ネゴシアン、 AOC 、 100%リーファー輸送
 
<見方・前提>
国内ワイン事業から、高級ワイン事業を展開した。背景には
1995年頃から、輸入ワイン↑ >国産ワイン↓の 日本全体の傾向がある。
事業展開の肝とは何か。 事業の「定義」を何にするのか。
S社の事例:高級ワイン とは? 値段が高い? AOCをクリアしている?
 
事業の着目点>
・1本のワインをば8人ぐらいで共有する。食事の中でこれだけシェアするのはない(まだ伸びる!)
・日本のワイン消費量は少ない。国内より海外ワインが延びてる。(海外ワインに需要あり!)
・海外ワイン産地の中でも、ボルドーに着目した。(それも1983年に!)
・フランスのシャトー(Saint-Julien Beychevelle, France)を、日本企業が経営する。(最初は大変…)
 
<困難性>
テロワール(土地独特の風土)、AOC(原産地名称保護制度)
・専門家 同士の商取引 (歴史と品格を維持)
・単一品種で作るため、その年の天候が大きく影響する
・飲み物を輸送する時は、温度と振動を避ける リーファーコンテナ
 
<専業化>
・ワインを輸送/販売する会社を、独立させる。http://www.fwines.co.jp/
・専業することで、新事業として成功さる。
  アンゾフマトリックス と 3C分析 で説明できる (ライバル少ない所で専業)
・ビジネスの価値を高める時には、独立企業化(専業化)は1つの有効手段
・専門インポーターが、関係者との信頼を築くことで、市場が広がる。
 
<考察>
・なぜ、日本酒の酒造メーカーが拡大に成功しないのか?
 → お米は農家に任せている。原材料から独自性がないから、どこが作っても同じになる。
 → 専業に持ち込む と、逆に何が問題(デメリット)となるかを、深く追求すべき。
 

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● Case: C社
 
店舗デザイン、マーチャンダイジング、マーケット・ドライビング
 
事業の背景>
靴産業の革新家一家が今日まで1世紀以上もの間、4世代にわたって受け継いでいるファミリービジネス
上場しないことで、自らが作りたい靴を作ることにこだわる。
コンセプト: 「ちょっとしたアイロニーと、生きる喜び」
 
事業の着眼点>
ニーズがあってデザインする靴と、自分たちが作りたい、今までの作り方が違う、コンセプトの企画
四半世紀前から、製造小売りの実施。 直営の店舗。 本業外のデザイナーが作る大胆な店舗。
製造企業が直接、顧客に提供する場をつくり、その接客での経験を活かす (仕組み作り)
 
<専業化>
「靴、デザイン、コミュニケーション」 の 三位一体の靴づくり
「デザイン、商品、店舗」 の 三位一体経営
 
靴以外は、やらない。 ブランドも売らない。(なぜか?! 日本だけバックがあるらしい…)
販売手段は、供給地によったカスタマイズ。 日本ではJV形式。
製品開発に買い手の声を反映する手法 と 全く違うコンセプトから生み出す手法 有り。
 
<考察>
地中海に田舎で生まれたブランド。 風土をアイロニーという世界観に発展させた。
その世界観を伝えたのが、マーチャンダイジングを含めた商品戦略
流行に必ずしも追随しない。デザイン戦略にブレがない。自分たちが作りたい靴を作る。
マーチャンダイジングがしっかりしていれば、世界で異なる販売形式
多角化するよりも優れた製品を作り続けること。優秀な人材に魅力的な場を与えること
 
・代理店方式で、多角化しないのはSバックスも同じと言える。
・同じ 製造小売りの企業は、同じ店舗づくりが主流。 どっちが顧客は行きたくなるか?
 (どこ行っても同じ店舗づくりの Iケア と、店舗毎に違う作りのC社 )
・C社は、2つと同じ店舗がない。貫かれているのは、靴しかしない、高級靴
 ケースバイケース ではあるが… 今の世の中は専業の方が好調な企業が多い

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 画像: Fashionsnap.com
 
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専業できるなら、専業の方が、消費者目線からしても良いと思う。ただ、
「製造業(only)」と、「製造小売り業」、または「サービス業」を
単純にゴチャにして、専業万歳!という議論もないと思います。
 
それを前提にしても、冒頭の「馬車をいくらつなげても自動車にはなりません。」
シュンペーターの言葉の通り、世の風潮である専業に目を向けないと、なにも
始まらないと考えさせられました。
これまでのバージョンアップ?!では、次のステージには脱皮できないもんな・・・